日本武道館 古武道大会

先週は、日本武道館で演武を披露する機会を頂き
第39回日本古武道演武大会へ参加して参りました。
現代では馴染みが薄いかもしれませんが江戸時代には
剣術、槍術、杖術、砲術、柔術、水術 など
多様な武術が諸藩に於いて盛んに稽古されておりました。

日本武道館

現在(財)日本武道館が統括する古武道協会には80の団体が加盟しており
そのうちの一派が私共の天神真楊流 柔術であります。
流祖は幕臣の磯又右衛門柳関斎源正足、楊心流 と更にそこから分派した
真之神道流 を修行の末、合流させた流儀で当時は全国に5,000人もの門人がおりました。
しかし時代の流れと共に多くの修行者は、講道館の門人となり
明治や大正期の柔道普及に大きく貢献する事となります。
私共の系統は三代目の 磯又右衛門正智 に師事した、八木寅次郎先生の門下で
酒本房太郎先生、そして亡き師 久保田敏弘先生へと伝承された技法で
現在は高弟の数名で稽古を継続しておりました。

嘉納治五郎 先生が、講道館柔道を創始する際に修行した事で知られておりますが
現在では禁止技となった技法を含め多くの原理が取り入れられております。
講道館柔道の7段 審査で実施される 五の形 も
私共の口伝が、ほぼ原形のまま採用されている等
柔道との関係は非常に密接なつながりを持っているのであります。

第39回 日本古武道演武大会

数年ぶりとなる日本武道館での演武でしたが、私は相変わらずの旅が続いておりました。
稽古不足なまま演武をする事は如何なものかと不安な気持ちでいた矢先、
かつて先代が修行をしていた 酒本房太郎 道場からの門人 坂本忠彦 先生と
高弟の 福田哲雄 先生が参加して頂ける事となりました。
板の間で投技を受ける事は身体に相当な負担がかかります
ご高齢にも関わらずご一緒させて頂けた事にありがさを感じました。

明治維新後 文明開化の波が押し寄せ、更には戦後GHQによる
武道禁止令による政策が行使され多くの流儀が消滅してしまいました。
そんな時代に脈々と技を継承されてきた先人達は
並々ならぬご苦労があった事でしょう…。

八木寅次郎 生誕の地

私は今回の出国前に秩父市の八木寅次郎先生 生誕の地を訪ねて来ました。
現在のご当主は同地に於いて観光農園を営んでおり
2度目となる訪問でしたが、この度も貴重なお話を聞かせて頂けました。
当時の皇室護衛のお仕事など、あまり世間に出ていないお話ではありますが
明治期の武道家がいかに重要な役割を果たしていたかを再確認する事が出来ました。
スポーツではなく日本が独自に発展させた技と精神性を持った
武道は決して無くしてはならない伝統です。
あらためて今後の抱負と目標を整理する事が出来ました。

旅先でも稽古が出来ればいいのですが、私にとって大きな課題であります…
さて続いての旅先はコスタリカ共和国、今年も新しい旅が始まります。

コメント

  1. mk より:

    度々ブログ拝見させて頂いてます。
    飛鳥でのショーは順調そうですね。
    日本を離れて国境を越え様々な人に会い、触れ合い、吸収して未だ日々成長していく姿が想像されます。
    とても素敵な生き方ですね(^ ^)
    takuyaさんの活躍をこれからも期待しております!
    それから、私もやっと所帯を持ち、今は昔のtakuyaさんの実家近くに住んでいます。
    世の中はこんなに広いのに、不思議なものですね。
    どんな可能性が待ってるのかはすべての人に未知数ですから、ブログでの活躍を糧に私も日々精進出来るよう頑張ろうと思います。
    体に気をつけて頑張って下さいね。

  2. TAKUYA より:

    mk さんへ
    メッセージありがとうございます。
    お元気そうで何よりの事でございます。
    私なんぞ芸も武道も人としても、まだまだ勉強の日々ではございますが
    mkさんをはじめ応援して下さる皆様に笑われぬ様、努力していこうと思っております。
    近頃は陸上でマジックショーをする機会も減ってしまいましたが
    いつかどこかで、見かけましたらお声をかけて下さい
    でも、今も仙台に帰ると友人に会う際には地元を利用しているので
    いつかバッタリお会いするかもしれませんね(笑)
    そんな日を楽しみにしております。
    今日はハワイに来ておりました。夜風がとても心地よいですよ