明治神宮奉納演武

明治神宮の西参道を進むと、芝生の広場が見えてくるのですが
この日は陣幕の様な布で覆われた特別な会場に設営されております。
私は17年間毎年、文化の日になると同じ道を通っておりました。
これまでに雨が降った事は1度だけだったでしょうか
傘もいらない小雨程度の日もあった様な気もするのですが
やはり晴れている日の印象がとてもつよいのです。
今年は数日前までは、雨の予報だと聞いておりましたが
いざ当日になってみると望み通り、お天道様が出迎えて下さいました。
全国から多数の流派が集まる日本古武道大会の開催です。

明治神宮 日本古武道大会

なぜ晴れの日をそんなにも願っているのかと申しますと
悪天候の際には会場が 明治神宮内の至誠館道場に変更となります。
この剣道場の床はとても丈夫な板張りで作られている為
上手に受け身をとっていても、本気で投げられた時の衝撃はかなりのもの
最後の技を受けきった頃には、立っている事がやっとの事でございます。
なので本音を申し上げますと…痛い事は出来るだけご遠慮したい気持ちで御座います。
先生方から話を聞かせて頂くと、昔の門人達はもっと豪快だった様で
頭を打って気を失っただとか、関節が抜けて立てなくなっただとか
恐ろしい出来事を笑いながら話して下さいます。
そんな訳で我々も、気合を込めて技をかける様に指導されておりました。
しかしながら…顔つきだけはキリリと恰好をつけているものの
晴れと確信出来た時点で私は「ほっ」と安堵しているので御座います。

明治神宮 日本古武道大会

今回は新しい門人の参加や、遠方の同門と久しぶりにお会いする事が出来ました。
長年共に修行していた仲間と語り合える事は何よりも嬉しいひと時であります。
約一年前に、私の柔術の師 久保田敏弘先生 が他界してしまいましたが
未だに門人同士の交流が有る事は、師の御人徳によるものなのでしょう。
何事も継続する事の重要性や、いかなる事も筋道を違えてはならない事
そして、良い師を探し出し学ぶ事、この3つの事をよく聞かされておりました。
学生の頃には何となく実践してみよう程度の気持ちでおりましたが
いざ社会に出てみれば、信用につながっていたり困った時の道標となっていたり
仕事をしていく上でも、最も大切な教えだったと感じております。

明治神宮 日本古武道大会

柔術も柔道も相手が居てこそ、互いに稽古を行う事が出来ます。
そして切磋琢磨されて他人に対して感謝の気持ちが生まれてくるのです。
この自他共栄の精神を学べた事は、間違いなく武道のお蔭でしょう
稽古が出来る事や先輩方にご指導頂ける環境がいかに恵まれているのかを
しかと肝に銘じながら、お神酒を頂戴して参りました。
2014年 文化の日、私の気持ちは空の如く快晴であります。

コメント

  1. 雅(マサ) より:

    TAKUYAさん ご無沙汰しております。
    文化の日に日本古武道大会とは本当に相応しい行事ですね。自他共栄の精神を学べたのも良い師、長年共に修行した仲間に巡り会えたからでしょうね。
    私も文化の日に大道芸ワールドカップin静岡にここ数年来ています。ある意味大道芸も文化の日に相応しい行事ではないでしょうか。そしてTAKUYAさんもよくご存知な瞳さんに久しぶりに再会しました。不思議なことにしばらく会っていなくとも大道芸、良き仲間が時間の隙間をあっという間に埋めてくれます。
    TAKUYAさんの想いがわかりやすく伝わって来ます。
    最後に、晴れて良かったですね!!(お互い)

  2. TAKUYA より:

    雅 さま
    大変ご無沙汰致しております。
    お変わりございませんでしょうか、偶然にも昨日の事
    昔お土産で頂戴した 矢場とん のトランプで神経衰弱をしておりました。
    「マサジーさん元気かな」なんて家族で話をしていた所でした。
    息子はマジックが出来るトランプだと気が付いて、なにやら怪しげな手品を
    披露してくれました(笑)今回が初めてのトランプマジックです。
    大道芸ワールドカップでは瞳さんとお会いしたのですね
    皆さんもお元気でしょうか、本当に懐かしいです。
    来年で愛知万博から10年、今でも名古屋で過ごした楽しい日々を思い出します。
    昔よりは成長した姿をお見せ出来るかもしれませんので
    いつかまた私達のショーも見に来て頂けたら嬉しいです。
    これからもどうぞ宜しくお願い申し上げます。

  3. ken より:

    はじめましてTAKUYAさん。
    TAKUYAさんの演武は古武道演武大会で見る機会があります。
    TAKUYAさんの天神真楊流の技は素晴らしく感動しました。
    私は天神真楊流柔術に興味があり習いたいと思っております。
    しかし、道場の場所が分かりません。
    天神真楊流はどこで稽古しているのですか。

  4. TAKUYA より:

    Ken さま
    はじめまして、この度はメッセージをありがとうございました。
    ご返信が遅くなりまして大変失礼致しました。
    また私共の演武をごらんになって興味を持って頂けたとの事
    とても励みになる嬉しいお言葉でございます。
    現状を申し上げますと…
    私共は文京区で門人同士の稽古を続けておりますが
    残念ながら先代の師 久保田敏弘 先生が亡くなられてからは
    新たな入門者を募っていない状況でございます。
    せっかくのお問い合わせにも関わらず誠に申し訳ございません。
    私は、まだまだ未熟ではございますが
    生涯をかけて天神真楊流を鍛錬していこうと思っております。
    いつの日か先生から新たな門人のお許しが出ましたならば
    是非一緒に稽古をさせて頂けたら嬉しいです。
    今年の明治神宮へはスケジュールの都合上参加する事が出来ませんが
    どこかの演武会で見かけましたら、どうぞご遠慮なくお声かけ下さい。
    また進展がございましたら、このブログ等を利用して
    お知らせ致しますので今後とも何とぞ宜しくお願い申し上げます。